作品概要

サイパン島同胞臣節を全うす》は、画家の藤田嗣治によって制作された作品。制作年は1945年から1945年で、東京国立近代美術館に所蔵されている。

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《サイパン島同胞臣節を全うす》は、エコール・ド・パリの代表的な画家であり、日本画の技法を油彩画に取り入れながら、独自の乳白色の肌と呼ばれた裸婦像を描いた藤田嗣治(1886-1968)が1945年に制作した油彩画である。終戦の年に制作された作品だ。

自決の場面を題材に

1944年7月、サイパン島での日本人の玉砕を伝える戦争画だ。藤田が描いたのは地形から、バンザイ・クリフの惨状であると思われる。ここで1万人もの人々が右手の断崖から投身したといわれている。

描かれている人物は、敵兵と向き合う日本兵ではなく、女性や子ども、負傷兵などの非戦闘員がつぎつぎと自決を果たす姿だった。当時、サイパン島には2万5千人の日本人がくらしていたが、同年6月の米軍による総攻撃開始から1か月後、飢えと疲労が極限に達し、当の最北端に追い詰められた彼らは、捕虜となることを恥辱としてつぎつぎと自決した。戦争によって何の罪もない尊い命が奪われていくという悲劇が描かれている。

画家最後の戦争画

フランスの19世紀ロマン派を代表するウジェーヌ・ドラクロアの構図法を参照したと言われている。非常に優れた構成力と人物の描写力を示す大作だ。それまでの藤田の戦争画とは一線を画していた。

この作品は縦が1.8メートル、横が3.6メートルの大作で、藤田にとって最後の戦争画となった。1945年3月中旬に完成して、4月に始まった戦争美術展に出品され、その後日本国内を巡回した。この絵は残酷なために一時期、児童や生徒には公開されなかったともいわれている。

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基本情報・編集情報

  • 画家藤田嗣治
  • 作品名サイパン島同胞臣節を全うす
  • 英語名Compatriots on Saipan Island Remain Faithful to the End
  • 分類絵画
  • 制作年1945年 - 1945年
  • 製作国日本
  • 所蔵東京国立近代美術館 (日本)
  • 種類油彩
  • 高さ181cm
  • 横幅362cm
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