作品概要
《死んだ雉と獲物袋》は、画家のジャン・シメオン・シャルダンによって制作された作品。制作年は1760年から1760年で、ベルリン国立美術館に所蔵されている。

《死んだ雉と獲物袋》は、フランスの画家ジャン・シメオン・シャルダンによって1760年に制作された油彩画である。ベルリン国立美術館に所蔵されている。
晩年期の静物画
1728年、ジャン・シメオン・シャルダンは、通常の要件を満たすことなく、パリ芸術アカデミーにおいて動物や果物の画家として受け入れられ、正会員となった。シャルダンは一般的に静物画の画家として知られているが、1730年代初頭から1750年代初めまでは、風俗画を中心に描いている。その後再び静物画に戻り、晩年期にはパステルの肖像画も描いている。この静物画は、シャルダンの晩年期に描かれたものである。
客観性と共感の要素
この絵画の構造は、以前描かれていた静物画よりもシンプルである。シャルダンは対象物の数を最小限に抑えている。鳥のモチーフを選んだシャルダンは、死んだ雉にかなりの重点を置いている。雉は貴族の獲物として取っておくものと考えられていたが、戦利品としての雉は、ブルジョアの観点からは、自然に対する人間の覇権を誇示するという価値を失っていた。しかし、雉が描かれている技法は、より荒い構造の中においてさえも、慎重で繊細な絵の具の塗り方により、感覚的な共感の要素を高めている。
当時の他の画家の静物画とは異なり、シャルダンはスムーズで冷たい客観性を持っていた。それゆえシャルダンは、鑑賞者と対象物の間に親密な空気を作り出した。
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