作品概要
《銀の深皿》は、画家のジャン・シメオン・シャルダンによって制作された作品。制作年は1728?年から1728?年で、メトロポリタン美術館に所蔵されている。

《銀の深皿》は、フランスの画家ジャン・シメオン・シャルダンによって1728年頃に制作された油彩画である。メトロポリタン美術館に所蔵されている。
素朴な日用品、生命の儚さ
シャルダンはフランソワ・ブーシェと同時代人であったが、この二人の画家ほど違う性質を持った画家もいないだろう。ブーシェはロココを代表する画家であり、神話画や上流社会の肖像画など、優美な作品を多数生み出した。一方シャルダンは、そうした綺麗さ、かわいらしさを無視し、信じられないほど素朴で質素な作品を常に制作し続けた。
この静物画の中で、シャルダンは日常における生活用品という対象物に、尊厳と価値を与えた。猫は生きている動物と死んだ動物の間に葛藤の感情を生み出し、シャルダンの風俗画に共通するテーマ、すなわち生命のはかなさを強調している。
描写
1728年、シャルダンはフランスのアカデミーの正会員となり、当時は最も地位の低かった絵画ジャンルである静物画の画家として、即時かつ永続的な名声を得た。当時描かれたこの作品は、キッチンや上流社会のモチーフを組み合わせているという点で珍しいものである。ふたのある銀の深皿は高価なものであり、おそらく画家が借りてきたものであることが推測される。
シャルダンは鳥の羽と兎の毛皮を非常に巧みに描き、それらの静けさをかがんだ猫の緊張した体と対照させている。一方で構成はアンバランスであり、果実のサイズは実際よりも大きく描かれている。
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