作品概要
《アルス・クアトラ・ガッツのメニュー》は、画家のパブロ・ピカソによって制作された作品。制作年は1899年から1900年で、アルス・クアトラ・ガッツに所蔵されている。

10代後半において、ピカソはマドリッドのサンフェルナンド・アカデミーにて美術を学んでいた。しかし彼は学校のアカデミックなスタイルに共感できず学校を退学し、バルセロナに戻ってくる。そこで彼はボヘミアンやアバンギャルドな様式を呈すアルス・クアトラ・ガッツに引き込まれる。
アルス・クアトラ・ガッツ(四匹の猫)はバルセロナのムンシオー通りにあったカフェの名前である。この時期の最先端の流行といえばパリやロンドンの芸術であり、上流階級のアール・ヌーボースタイルの時代であった。
『アルス・クアトラ・ガッツのメニュー』はゴシックの外装を持つビストロ前に立つ男が描かれていて、その単調だがこぎれいな作りに目を奪われる。小さな植木は、紳士の履くズボンの上品さを引き立てている。紳士はちょうどビールを終えて、食事にとりかかろうとしているのだろうか。ピカソはこのデザインを含め、数点の作品をカフェに提出している。
1901年2月、ピカソはここで肖像画・風刺画の初の単独展覧会を開催したのであった。『アルス・クアトラ・ガッツのメニュー』がアール・ヌーボースタイルに影響されているのは一目瞭然である。さらに大胆でシンプルな曲線美は、ロートレックや、イギリス画家のベガスタッフ・ブラザーズのようだ。
1900年にピカソはロンドンを訪れる。この訪問は短期滞在であったにもかかわらず、彼は芸術的な雰囲気をバルセロナよりも深くそして広く堪能したようである。
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