作品概要
《3つの停止原器》は、画家のマルセル・デュシャンによって制作された作品。制作年は1913年から1913年で、ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。

《3つの停止原器》は、フランス生まれの美術家であり、20世紀の最も影響力のある芸術家でもあるマルセル・デュシャン(1887-1968)が1913年に制作したオブジェ作品である。
デュシャンの代表作
本作はデュシャンの代表作である。《彼女の独身者によって裸にされた花嫁、さえも》の花嫁の一部にもなっている。
3つの紺で塗られたキャンバスにひも、3枚のガラス板、3本の曲線定規がそれぞれ配置されている。デュシャンは1メートルの長さのひもを、1メートルの高さから水平に落とす行為を3回繰り返した。そのときにできた曲線をそのまま、キャンバスに固定した。この曲線に沿って、木製の定規は切り取られている。クロケットのスティックを入れる箱に収められた。
転機になった作品
1961年に受けたインタビューでは、《3つの停止原器》と、大量生産された商品をアート作品と指定したレディ・メイド作品との間の概念的な関係をほのめかしている。もっとも重要な作品は何ですか、という問いにデュシャンは以下のように答えている。「年代から言えば、1913年の《3つの停止原器》です。わたしの輝かしい未来につながる原動力になりました。本作自体は重要ではないのですが、わたしにとっては道が開けました。従来の表現方法から逸脱できました。本作はわたしを過去の因習から自由にするさいしょの行為だったのです」
オリジナルヴァージョンはアメリカのニューヨーク近代美術館に所蔵されている。2点のレプリカがスウェーデンのストックホルム近代美術館、アメリカのノートン・サイモン美術館にある。1964年にアルトゥーロ・シュヴァルツによって8つのレプリカが制作され、そのうちの1点がテート美術館に所蔵されている。
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