作品概要
《彼女の独身者によって裸にされた花嫁、さえも(大ガラス)》は、画家のマルセル・デュシャンによって制作された作品。制作年は1915年から1923年で、フィラデルフィア美術館に所蔵されている。

《彼女の独身者によって裸にされた花嫁、さえも(別名、大ガラス)》は、フランス生まれの美術家であり、20世紀の最も影響力のある芸術家でもあるマルセル・デュシャン(1887-1968)が1915年から1923年の8年かけて制作したオブジェ作品である。
どのジャンルにも分類できない作品
2枚のガラスパネルに、鉛の箔、ヒューズ線、埃といった素材を配置して制作している。偶発的な行為、透視図法、職人の技術があわさっている。制作のアイデアが1913年に浮かぶと、以降多くのアイディアメモを残し、試作を繰り返した。
見た瞬間、図像学的に戸惑い、どの芸術スタイルにも分類できない。上パネルは花嫁、下パネルは9人の独身者を表し、理性に対立する感情的なエロティックな出会いの様子が見受けられる。また。透明なガラスや偶発的に割れたガラスひび割れ、メモなどは外の現実やことばが介入するのを受けいれることを表現している。
浮かれ騒いだシーン
デュシャン自身は〝浮かれ騒いだシーン〟だと述べている。この複雑で難解な作品の制作に8年もの歳月を費やしている。27歳のときニューヨークの地に降り立ち、1915年に代表作となる作品を手がけた。大ガラスのそれぞれの要素は、緻密なスケッチと、計算と実験の賜物である。1923年になると、「本作は未完成のまま残しておく」と述べ、制作を打ち切っている。
1926年、アメリカ、ブルックリン美術館で展示されたあと、作品の輸送中に破損したが、デュシャン自身によって修復された。また、本作はデュシャンを信奉していたホップアートの父、リチャード・ハミルトンによって複製も試みられ、その作品はテート美術館に所蔵されている。
こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。