作品概要
《素描をする若い学生》は、画家のジャン・シメオン・シャルダンによって制作された作品。制作年は1738?年から1738?年で、キンベル美術館に所蔵されている。

《素描をする若い学生》は、フランスの画家ジャン・シメオン・シャルダンによって1738年頃に制作された油彩画である。キンベル美術館に所蔵されている。
素描をする学生を描いた作品
ジャン=バティスト・ウードリーやブーシェのような当時の多作の画家とは違い、シャルダンは素描をしなかった。本作《素描をする若い学生》では、大きな赤いチョークで目の前の絵を模写する若い学生の姿を、背後から描いている。
シャルダンは、オランダの黄金時代の絵画や前世紀の静物画をフランス人好みに変化させ、こうしたジャンルを最高レベルまで高めた。彼の作品は、日常的な経験と現実を知覚的に描写する際に特に格別なものとなる。豊かな質感のある魅力的な彩色と彩りを放つビジョンや、そのテクニックの繊細さに匹敵する芸術家はいないと言っていいだろう。
繰り返し描いた主題
サイズは小さいが、本作はシャルダンの最も有名な作品の一つである。彼が20年以上にわたって繰り返しこの構成に取り組み、12以上のバージョンを描いたという事実は、主題の人気とその重要性を示している。この中で、シャルダンはフランスのアカデミーによる芸術的訓練の困難な過程に批判をしているようである。
ディドロの1765年のサロン評で引用されたシャルダンの見解では、さまざまな段階の訓練は、最終的には創造力を解放するための手段に過ぎなかった。若い画家は、最初の段階では、右側にある何も描かれていないキャンバスのようであった。
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