作品概要
《花とジャクリーヌ》は、画家のパブロ・ピカソによって制作された作品。制作年は1954年から1954年で、パリ国立ピカソ美術館に所蔵されている。

ピカソはジャクリーヌ・ロックと1953年に陶芸工場で出会った。彼女は27歳、彼は72歳であったが、ピカソは一目で彼女に恋し、彼女の家にチョークでハトの絵を描いたり、毎日一輪ずつバラを贈るなどのロマンティックな方法で愛を語り、6ヶ月後に二人は付き合うこととなった。
1955年、ピカソの最初の妻であるオルガ・コクルヴァが亡くなり、彼は晴れて独身となったので、二人は1961年3月にフランスのヴァロリスにて結婚した。
『花とジャクリーヌ』は1954年に描かれた、ピカソのこの新たな若い愛人、ジャクリーヌ・ロックをモデルとした作品である。美術史作家、アントニー・ヴァレンティンは、この作品を『現代のスフィンクス』と名付けたが、ジャクリーヌはどこか神秘的な特徴を持っていて、作品中の長い首とアーモンド型の瞳を持つしゃがんだ彼女は確かにその名の通りに見える。
彼女はこの特徴をもった座ったポーズの絵を好んでおり、『オダリスク』連作をはじめとする、後期の肖像作品にも頻繁に登場することとなる。
ピカソが初めて彼女と会った時、彼は彼女がドラクロワの『アルジェの女達』作中の水キセルを持った女性に、あまりにも似ているので衝撃を受けたという。彼女の地中海風の美しさに魅せられたピカソは、1954年頃から彼女のイメージを作品に取り入れ出した。ピカソは、ドラクロワの『アルジェの女達』をモティーフとした作品群を残しているが、これはおそらくジャクリーヌの美しさからインスピレーションを得たものであろう。
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