作品概要
《母性》は、画家のパブロ・ピカソによって制作された作品。制作年は1909年から1909年。

「母性」はセザンヌ的キュビズムの時代の作品であり、1909年に制作された。この時期、ピカソはセザンヌに強い影響を受け、古典主義を回顧させる作風を確立させた。
古典主義の作品では、ケンタウロス(ギリシア神話の半人半獣)、ミノタウロス(ギリシア神話の牛頭人身)、ニンフ(ギリシア・ローマ神話の精霊)、ファウヌス(ローマ神話の半人半羊)といった神話的イメージで描写されている。
また、新古典主義の時代(?1925年)では、母性や母子間の特別な関係性にインスピレーションを受け、母性を題材とした作品を数多く制作している。作品では、灰色とバラ色の控えめな色彩で、古典的な量感のある母子像が描かれている。上品でシンプルなデザインの白いドレスを着た女性(母親)は、赤ちゃんを抱きかかえて授乳している。赤ちゃんに授乳することに集中し、自分達が見られていることに気付いていない様子である。
また、母親からは古代神話に登場する女神のような力強さが伝わってくる。ピカソは、作品の主題となる母性を母親の姿で表している。活気が満ち溢れる一方で、穏やかな雰囲気が伝わる作品に仕上がっている。
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