作品概要
《スープ》は、画家のパブロ・ピカソによって制作された作品。制作年は1902年から1903年で、アートギャラリー・オブ・オンタリオに所蔵されている。

「スープ」は青の時代の作品であり、1902年から1903年に制作された。ピカソは、画商アンブロワーズ・ヴォラール(Ambroise Vollard)の支援により、1901年にフランス・パリのヴォラール画廊にて個展を開き、画家として初めての成功を収めた。
合わせて、ヴォラールは、ピカソに対して作品制作から生活面において金銭的に援助していた。しかしながら、ピカソの資金元はすぐに底をつき、パリにて貧しい生活を余儀なくされた。
その後、ピカソはフランス・パリからスペイン・バルセロナに戻り、「スープ」の制作に取り掛かり始めた。作品は、ピカソが女性刑務所「サン・ラザール」を訪問した経験に基づき、フランス象徴主義の先駆者であるピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ(Pierre Puvis de Chavannes)の壁画「聖ジュヌヴィエーヴの生涯」に影響を受けている。
壁画の一場面では飢えた女性が道で施しを受ける様子が描かれているが、ピカソはその描写に感銘を受け、「スープ」を制作したといわれる。
また、作品は二通りの解釈ができる。貧困により痩せ細った女性が小さな子供にスープを手渡す様子、あるいは、女性が小さな子供からスープを受け取った様子、どちらが表現されているのか不明であるという。現在、「スープ」は、アートギャラリー・オブ・オンタリオ(カナダ・オンタリオ州)に展示されている。
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