作品概要
《座る女(マリー・テレーズ)》は、画家のパブロ・ピカソによって制作された作品。制作年は1937年から1937年で、パリ国立ピカソ美術館に所蔵されている。

「座る女」はシュルレアリスム(超現実主義)の時代の作品であり、1937年に制作された。ピカソの愛人マリー・テレーズ・ウォルター(Marie-Thérèse Walter)を描いた作品の一つである。また、同時期には、同じ構図にてドラ・マール(Dora Maar)をモデルとした「座る女」も制作された。
作品は、赤色と緑色を基調とした派手で明るい色彩で描かれている。色彩論において赤色と緑色は両極にある色(対立する色)と定義され、通常、両極性のある色彩を組み合わせると、作品は単調で平面的になる。一方、ピカソは、キュビズムの分析・解体と構築を用いて、作品に空間的な奥行きを見事に創出している。作品の色彩とキュビズムの立体感により目の錯覚が生じ、背景となる部屋の2つの角が遠ざかって見え、立体的な空間に見える。また、マリー・テレーズは肘掛の椅子に座った姿であり、瞑想にふけている。
体のラインは上品な様相で表現され、作品の色遣いとキュビズムの技法により立体的に見えて迫力がある。ピカソは、マリー・テレーズの派手で明るい色彩のドレスに白黒の横縞(ストライプ)を加えることで、色彩の調和をとっている。現在、「座る女」はパリ国立ピカソ美術館(フランス・パリ)に展示されている。
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