作品概要
《シカゴ・ピカソ》は、画家のパブロ・ピカソによって制作された作品。制作年は1963年から1967年で、リチャード・J・デイリー・センターに所蔵されている。

「シカゴ・ピカソ(ピカソ)」はアメリカ合衆国イリノイ州シカゴにある野外彫刻(高さ15.2メートル、重さ162トン)であり、ピカソによるデザインである。無題の作品ではあるが、「シカゴ・ピカソ」「ピカソ」と呼ばれている。
彫刻の上部はジャングルジムのような構造が特徴である。下部は滑り台のように造られ、実際に登って滑り下りることもできる。
彫刻は、シカゴ中心部ループ地区にあるリチャード・J・デイリー・センター(公開当時はシカゴ・シビック・センター)に立地している。
1963年にリチャード・J・デイリー・センターの設計者であるウィリアム・ハートマン(William Hartmann)氏に依頼され、1965年に彫刻の模型を完成させた。翌年には彫刻の最終的な模型案が承認され、ピカソの模型案に基づき、総合建設会社アメリカン・ブリッジ社が制作した。そして、1967年8月15日にリチャード・J・デイリー・センターにて公開され、シカゴのランドマークとなった。彫刻の制作費用は35万1959ドル17セントとなり、3つの慈善団体が負担した。ピカソは彫刻をシカゴ市民に対する贈り物にするとして、10万ドルのみを受け取ったといわれる。
ピカソは、彫刻のモチーフについて言及していない。鳥、ツチブタ、ヒヒの頭、エジプトの死者の神「アヌビス(頭はジャッカル、体は人間の姿)」と推測されているが、孫のオリビエ・ピカソ(Olivier Widmaier Picasso)はシカゴ・サンタイムズ紙に対して、ピカソの愛人であるシルヴェット・ダヴィット(Sylvette David)にインスピレーションを受けていると発言している。また、彫刻は、ピカソの愛犬(犬種:アフガン・ハウンド)をモチーフとした抽象的なレプリカとも考えられている。
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