作品概要
《質素な食卓》は、画家のパブロ・ピカソによって制作された作品。制作年は1904年から1904年で、MOMAに所蔵されている。

パブロ・ピカソ作「質素な食事」は夫婦と思われる痩せ細った男性と、くたびれたような表情の女性が、ワインボトルと少量のパンのみあるテーブルに並んで肩を座っている印象的な版画絵だ。
この作品はピカソが版画家としてのキャリアを築きはじめたばかりの頃に作成されたものであり、またその当時のピカソ作品によく描かれていたテーマである、落胆と孤独がよく表れている。親友であるリカルド・カナルスから銅版画の初歩的な技法のみ学んでいたピカソは銅版画作成に関してはほとんど初心者であり、正式な技法を学んだことは無かったが、持ち前の自信と技術で作品作りに挑み未熟さをカバーした。ピカソ自身は1904年に作品を作り終えた際、ほとんど自身の版画を印刷することはなかった。
作品完成後も1904年から1906年の間にピカソは作品に11か所のドライポイントと言われる銅版画技術を追加し、防食処理を施すことで作品自体の精度をあげていった。最初に作品が完成してからおよそ10年後作品の銅板を美術商のアンブロワーズ・ヴォラールが購入した。買い取った銅板を使い新たにアンブロワーズが250点印刷をしたことで再び作品が日の目を見ることになる。
「質素な食事」を含め1904年?1905年に作成された銅版画はサルバンタンク(旅芸人)シリーズとして親しまれている。現代では印刷された版画は大英博物館や、ニューヨーク近代美術館など国を問わず著名な美術館に貯蔵されている。
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