作品概要
《野イチゴの籠》は、画家のジャン・シメオン・シャルダンによって制作された作品。制作年は1761?年から1761?年で、個人に所蔵されている。

《野イチゴの籠》は、フランスの画家ジャン・シメオン・シャルダンによって1761年頃に制作された油彩画である。
晩年期に描かれた静物画
静物画からの長く離れた期間の後、シャルダンは晩年期に再びそれに取り組んだ。それは息子の死やアカデミーでの失職など、個人的な悲劇が続いた後でのことだった。本作は、この晩年期に描かれた静物画の典型である。画家は、かつてそうしたように日常的な家庭用品のシンプルさに専念しているが、本作は幾何学的構成により洗練された見方でもってアプローチしたものである。
描写と効果
明るく柔らかなイチゴのピラミッドがキャンバスの中央に輝き、明るく深みのある赤と緑の斑点が、背景で弱められた茶色のと対照をなしている。一組のカーネーションの明るい白は、イチゴの赤をより鮮やかに浮かび上がらせている。こうした鮮やかな色たちが、絵を活性化させている。
一見すると、このシャルダンの後期静物画の対象物は不安定に配置されているかもしれない。しかし、ここではカウンターの水平線がガラス内の水、籐籠の縁、右の果物たちによる平行な平面により強調されている。
カーネーションは、わずかに中心から外れ、視覚的にも物理的にも、テーブルの端の意図的に不安定な位置にあり、不均衡を作り出している。イチゴの三角形はまた、ガラスと桃で形成されたより大きなピラミッドの頂点に位置しており、その幾何学的形状を倍加させていることがわかる。
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