作品概要
《十字架降下》は、画家のレンブラント・ファン・レインによって制作された作品。制作年は1634年から1634年で、アルテ・ピナコテークに所蔵されている。

名声を得始めたレンブラントが、それまで活動拠点を置いていた故郷のライデンを離れてアムステルダムへ移った頃の作品の一つである。
この作品は当時のデン・ハーグ(オランダの都市名)の有力者フレデリク・ヘンデリク総督の注文により制作された連作≪キリストの受難伝≫の中で、『キリスト昇架』と共に最初に手がけられた作品のひとつである。レンブラントが活躍した17世紀のオランダは、風景画、風俗画、あるいは静物画などといった自然主義的な題材の絵画が非常に隆盛を誇った時代であった。レンブラントはこのような中聖書や神話などに由来する主題をテーマとする物語画を終生の課題として、この作品もその一つである。このシーンでは、キリストはエルサレム郊外のゴルゴタの丘で二人の盗人と共に磔刑に処され、亡くなった。その亡骸を弟子たちが悲しみに暮れながら十字架から下ろしているシーンである。ルーベンスも同じく十字架降下の絵を描いているが、両者の歴然たる違いは死したキリストの描き方である。ルーベンスの描くキリストが死してなお隆々とした肉体を持っているのに対して、レンブラントの描くキリストは生命を全く感じさせない、死した肉体を描いている。これには生命と肉体は別物であるというメッセージが込められているとも言われる。ルーベンスもレンブラントもこのテーマの絵の製作に関して古代ギリシア彫刻≪ラオコーン≫の肉体的構図を用いているが、全く異なるメッセージ性が込められているのが興味深い。
ピーデル•パウルの十字架降下も見て、キリストの肉体がいきいきしていて逞しかった。
2019年8月26日 1:11 pm, ID 14191それに比べ、レンブラントのは肉体が死んでいる。