作品概要

龍涎香の煙》は、画家のジョン・シンガー・サージェントによって制作された作品。制作年は1880年から1880年で、クラーク美術館に所蔵されている。

詳細な画像を見る

本作は女性が銀の香炉を覆うように衣服の端を持ち上げ、いぶした龍涎香の煙をとらえている様子を描いた作品である。

設定

サージェントがこの画を描いたのはタンジェというモロッコの都市だ。レンタルハウスのパティオでモデルにポーズを取ってもらい描き始め、パリにある彼のアトリエで最終的に完成させた。

作者が北アフリカを旅していたのは1879年から1880年にかけての冬の時期であった。本作は1880年のサロン・ド・パリに出展した2作品のうちの1つである。当時、東洋文化や異国情緒を取り入れた表現の作品は比較的多く、彼自身のオリエンタリズムの解釈としてこの作品を描いている。

色使いと構成

《龍涎香の煙》の魅惑的な色使いは好評を博した。作家のヘンリー・ジェイムズは1887年10月に発行された雑誌で「同じような色でありながら別のトーンで、白の上に表現された光の効果が非常に美しい。」と評している。

描かれている女性は大きな布をゆったりと頭にかぶり、龍涎香の煙を吸い込んでいる。龍涎香はクジラの体内から排泄され、海から流れてきたものを採取する、非常に貴重な物質である。近東地域では媚薬と考えられており、悪霊から守るものとしても使われていた。

モデルとディテール

モデルの女性はおそらくタンジェの都市部に住む女性だと思われ、サージェントは彼女のスケッチもいくつか残している。この地域では女性に対して厳しい規律があり、表にはほとんど出ず、服装も細かく決められている。

彼女が来ているローブとマントは北アフリカで男性も女性も着用する衣服であるが、装飾品などの細かい部分は北アフリカの違う地域の物や文化が織り交ぜられており、異なった地域や社会的地位の要素を組み合わせて表現している。そのため、実際の風景というよりは想像上の風景として描かれている。

作品をもっと見る

基本情報・編集情報

  • 画家ジョン・シンガー・サージェント
  • 作品名龍涎香の煙
  • 英語名Smoke of Ambergris
  • 分類絵画
  • 制作年1880年 - 1880年
  • 製作国モロッコ
  • 所蔵クラーク美術館 (アメリカ)
  • 種類油絵
  • 高さ139.1cm
  • 横幅90.6cm
  • 投稿日
  • 編集者
  • 龍涎香の煙の感想を書き込む

    こちらで、ぜひ本作品の感想やエピソードを教えてください。作品に関する質問もお気軽にどうぞ。