作品概要
《白髪の男の肖像》は、画家のレンブラント・ファン・レインによって制作された作品。制作年は1667年から1667年で、ビクトリア国立美術館(オーストラリア)に所蔵されている。

同美術館が所有しているレンブラント作品はそのほとんどがエッチング作品であり、油絵はこの『白髪の男の肖像』と、もっと初期の作品『賢者の対話(聖ペテロと聖パウロの会話)』の2作品のみである。実はもう1作品あったが、それは1933年に鳴り物入りで迎えられたものの、後に真作でないことがわかり美術館の壁から取り外された。
当作品は真偽の是非を問われることなく無事に同美術館に迎えられたものである。レンブラントは1631年の終わりにアムステルダムへ移り住んだが、それ以降一人または群像の肖像画作品の依頼は彼の主な収入源となり、その割合は彼の人生における全作品のおよそ三分の二を占めるほどであった。
画面に座る男の右手は断たれており、この作品が後から断裁されたのではないかと憶測しがちであるが、技術的な証拠からこの構図が当初レンブラントが意図した通りのものであるとわかっている。この作品はレンブラントの後期の作風を代表するものの一つであり、彼の死のわずか2年前、彼の人生最後の肖像画の1つ前に描かれた作品である。
ちなみに、ビクトリア国立美術館蔵では1997年にこの作品の額装を新たにしており、それらはレンブラントが生きた作品が描かれた同年代のオランダのスタイルに基づいている。
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