作品概要
《イヴリーの戦いでのアンリ4世》は、画家のピーデル・パウル・ルーベンスによって制作された作品。制作年は1628ごろ年から1631ごろ年で、ウフィツィ美術館に所蔵されている。

「イヴリーの戦いでのアンリ4世」あるいは「イヴリーの戦いにおけるアンリ4世」は、1628年から1631年にかけて製作されたとみられる、ルーベンスによる油絵。大きさは367cm×693cmで、現在はフィレンツェのウフィツィ美術館が所蔵している。
描かれているのは題名のとおり、イヴリーの戦いでのアンリ4世である。イヴリーの戦いが起きたのは1590年、ユグノー戦争の際のことである。前王アンリ3世の暗殺後に即位したアンリ4世のパリ攻略を阻もうとするカトリック同盟およびスペイン軍に対し英国、スイス軍が加わったアンリ4世のフランス軍がイヴリーにて戦った。アンリ4世がそのままパリへ入ることはかなわなかったものの、戦いではアンリ4世側の勝利となった。
この作品は当初連作のひとつとして予定されていた。アンリ4世の死後、王妃のマリー・ド・メディチは自身の生涯と彼女の夫の生涯をめぐる二つの連作をルーベンスに依頼した。王妃の生涯についての連作は完成されたが、アンリ4世の生涯は未完のまま終わることになった。この「イヴリーの戦いでのアンリ4世」が収められているウフィツィ美術館には、同じくこの連作の一部となる予定だった「アンリ4世の勝利」も展示されている。
「イヴリーの戦いでのアンリ4世」と題されたルーベンスの作品はもうひとつある。こちらの作品も同じ場面を描いているが、構図は異なる。また、人物の細部や色などの点で製作途中であることがうかがえる。この作品は、現在アントワープのルーベンスの家に所蔵されている。
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