作品概要
《楽園のアダムとエヴァ》は、画家のピーデル・パウル・ルーベンスによって制作された作品。制作年は1628年から1629年で、プラド美術館に所蔵されている。

「楽園のアダムとエヴァ」あるいは「アダムとイブ」は1628年から1629年にかけて製作されたルーベンスの油絵。ルーベンスの手によるこの絵はティツィアーノが描いた同名の作品の模写である。ティツィアーノ、ルーベンスのどちらの作品も現在はマドリッドのプラド美術館が所蔵している。
絵に描かれているのは聖書創世記の一場面、楽園にいるアダムとイブである。中央やや右のイブは禁断の果実を受け取っており、それをとめようとするアダムがその隣に描かれている。イブの足元には欲望を象徴する狐が描かれている。1628年から29年にかけてスペインを訪れたルーベンスがティツィアーノのオリジナルを見てこれをほとんど忠実に模写したが、自身による変更も加えている。
基本的な構図や二人の人物、中央の樹、狐といったモチーフは同じといえる。しかし、例えばティツィアーノの絵ではイブだけでなくアダムの体も葉で隠されているが、ルーベンスの絵では葉がなくなっている。絵左上方には知恵を象徴する赤いオウムが加えられ、またアダムの体もより筋肉が加えられている。ルーベンスはこの絵の他にもティツィアーノの様々な絵画を模写している。
この絵は1628年に主に外交官としてマドリッドを訪れた際に描かれ、ルーベンスの死まで彼の手元にあった。彼の死後はスペインのエル・パルド宮殿に収められた。現在は前述のようにこの絵のオリジナルと同様にプラド美術館にある。
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