作品概要
《ローズ・セラヴィよ、なぜくしゃみをしない》は、画家のマルセル・デュシャンによって制作された作品。制作年は1921年から1921年で、テートに所蔵されている。

《ローズ・セラヴィよ、なぜくしゃみをしない》は、フランス産前の美術家で20世紀の最も影響力のある芸術家でもあるマルセル・デュシャン(1887-1968)が制作した彫刻作品である。デュシャンは本作を〝レディ・メイドの手をかりた〟作品と称し、アーティストによってオリジナルである既製品が変化していることを意味した。
鳥籠の中身は角砂糖の形の大理石
パトロンであるキャサリン・ドライヤーから妹ドロシアのためにと300ドルで作品制作を依頼されたとき、デュシャンは自由に創作されてくれることを条件に引き受けた。それが《ローズ・セラヴィよ、なぜくしゃみをしない》だった。
鳥籠のなかには、152個の白い立方体(大理石でできているが、角砂糖の形をしている)、四本の棒切れ、温度計、イカの甲が入っている。鳥籠の下には、黒いテープで、作品名と制作年が刻まれている。
ローズ・セラヴィとは
ローズ・セラヴィとは、デュシャンのもうひとりの自我、つまり女の部分だといわれている。時々ローズと略されてるときもあるが、性への方向性を示している。それはフランス語のエロス、セ・ラ・ヴィ(性愛、それが人生)ということだ。
シュルレアリストのアンドレ・ブルトンは本作について以下のように記述している。「マルセル・デュシャンが友人を招き、鳥籠を見せた。だが、そこには鳥ではなく、角砂糖の塊がはいっていた。友人に鳥籠を持たせたところ、その重さに一同は驚いた。角砂糖だと思っていたものは大理石だった。デュシャンはこの作品のために莫大な経費をかけ、大理石を細かくのこぎりで切って成形したのか。わたしにいわせるなら、このトリックは他作品と比べても何の遜色もなく、むしろアートのトリックすべてがつまっているといえる」
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