作品概要
《ラファエロと枢機卿ビッビエーナの姪との婚約》は、画家のジャン=オーギュスト=ドミニク・アングルによって制作された作品。制作年は1813年から1814年で、ウォルターズ美術館に所蔵されている。

《ラファエロと枢機卿ビッビエーナの姪との婚約》は、フランスの画家ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングルによる油彩画である。ウォルターズ美術館に所蔵されている。
古典復興の画家
アングルは、伝統的な技法と実験的な感覚を巧みに融合させ、古典主義およびルネサンスの源泉を、19世紀向けに再構築した画家である。巧みな描写や幻想的な質感を備えた流れるような曲線で知られる才能のある画家であり、「線や色が絵画の最も重要な要素なのだろうか」という古典の復興議論の中心にいた。
ラファエロの婚約の場面
アングルは有名な新古典主義の歴史画家、ジャック=ルイ・ダヴィッドの工房で修業をした画家であるが、その画風は簡単に分類することはできない。この作品は、彼が賞賛した過去の画家、この場合はラファエロの人生の魅力を反映している。
この場面では、枢機卿ビッビエーナが、ラファエロの花嫁として姪を紹介している。ラファエロは、枢機卿がハンサムな若い画家に感じた比類のない評価を体現している。アングルは、この重要な瞬間の想像力豊かな描写において、歴史的な情報源を使用するように注意を払った。
参照した作品
ラファエロの容貌は、かつては画家の自画像であると考えられていた若い男性の肖像画(ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵)に基づいている。ビッビエーナの姿は、ラファエロによる肖像画(フィレンツェのピッティ宮殿蔵)に基づいている。枢機卿の姪は、かつてはラファエルの恋人の姿であると考えられていたセバスティアーノ・デル・ピオンボの《ラ・フォルナリーナ》(ピッティ宮殿蔵)に触発されたものである。
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