作品概要

座るモワテシエ夫人》は、画家のジャン=オーギュスト=ドミニク・アングルによって制作された作品。制作年は1856年から1856年で、ロンドン・ナショナル・ギャラリーに所蔵されている。

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アングルと肖像画

アングルは肖像画を下位の芸術形式として軽蔑していたが、師匠のダヴィッドは肖像画で傑出するようになっていた。アングルは肖像画を1847年に描き始めたが、1856年、画家が76歳のときに完成した《モワテシエ夫人》ほど壮麗なものは少ないだろう。
彼は当初、この裕福な銀行家の妻を描くことを断っていたが、彼女に会ったときにその美しさに魅了された。

モデルのドレスは2回以上変更された。アングルは1847年にこの肖像画に取り組んでいることが記録されている。1849年に画家の妻が死亡した際、彼は絶望し、何ヶ月も作業することができなくなってしまった。1851年に新たに制作を開始し、黒いドレスを着たモワテシエ夫人の肖像画(ワシントン・ナショナル・ギャラリー蔵)を完成させた。そうして1852年、当初の座っているバージョンの肖像画に戻った。

描写

4年後に本作が完成したとき、モワテシエ夫人は35歳であった。後ろの鏡に映る彼女のギリシャ風の横顔は女神のようである。花柄のインドさらさで飾られたフランス第二帝政期の華やかなドレスを描き出している本作は、アングルの芸術の両義性を示している。彼女の肩、腕、顔のしっかりとした輪郭は、磨かれた石膏のように丸みを帯びていて、毛穴がなく、滑らかで輝いている一方で、触れると柔らかそうな質感を併せ持っている。右の人差し指に顔を向けた姿勢は、古代の壁画に由来している。しかし、布の質感、美しい宝石、フレーム、東洋の磁器などが細かく写実的に描写されているため、この「古典的」な雰囲気は相殺されている。

時代を超越した壮大さとブルジョアの誇張との混合、絵の厳格な物憂さは、アングルにしてはユニークなものであり、新古典主義の画風からは逸脱している。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジャン=オーギュスト=ドミニク・アングル
  • 作品名座るモワテシエ夫人
  • 英語名Madame Moitessier
  • 分類絵画
  • 制作年1856年 - 1856年
  • 製作国フランス
  • 所蔵ロンドン・ナショナル・ギャラリー (イギリス)
  • 種類油彩、キャンバス
  • 高さ120cm
  • 横幅92.1cm
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