アクロンに勝利したロムルス

主題の物語

《アクロンに勝利したロムルス》は、フランスの新古典主義の画家、ジャン＝オーギュスト＝ドミニク・アングルによって制作された作品である。

1812年に完成したこの作品の主題は、プルタルコスによるローマ帝国の建国者、ロムルスの生涯に由来している。この作品は、新たに建国されたローマの都市での女性の不足を補うために、近隣の部族であった若いサビニの女性たちがローマによって拉致されたことに起因する戦争を描いている。カエニナ王アクロンは、報復のためにローマ人との戦争を宣言した。しかし彼らは無慈悲に敗北し、彼らの町はローマ人によって破壊された。

アングル最大の作品

作品の主題、様式、大きさは、この作品が新古典主義の伝統を具現化していることを示している。これはアングル最大の作品の一つである。この壮大なスケールは、《ユピテルとテティス》などのそれ以前の古典的な絵画にも同様にみられるものである。

描写

アングルは古代の美術からいくつかのモチーフを参照している。たとえば、馬はパルテノン神殿のフリーズ（小壁）の大理石の馬にはっきりとした敬意を表している。アングルはまた、古代ローマ時代のフレスコ画の様式と一致するマットな品質を再現するため、テンペラを使用している。

本作には、19世紀初頭に出現した新しいゴシック様式の特徴である、幾分冷たく感情的でない様相を呈する、控えめな動きといった要素がある。