作品概要
《空間における連続性の唯一の形態》は、画家のウンベルト・ボッチョーニによって制作された作品。制作年は1913年から1913年で、ニューヨーク近代美術館に所蔵されている。

《空間における連続性の唯一の形態》はウンベルト・ボッチョーニによって1913年に制作されたブロンズ彫刻である。この作品はニューヨーク近代美術館に所蔵されている。オリジナルの石膏モデルはブラジルのサンパウロ大学附属美術館に所蔵されている。
ブロンズで鋳造されたものは全てボッチョーニの死後に石膏モデルから型取りされたものだが、それらのうち1931年に型取りされた2点はミラノの市立現代美術館像のものと、このニューヨーク近代美術館のものである。1949年にも型取りされ、そのうちの1つははニューヨークのリディヤ・ウィンストン・マルビン・コレクションにあるが、これが最も石膏モデルに忠実だと言われている。
ボッチョーニの代表作
この作品はボッチョーニの作品の中で、また未来派の作品の中でも、最も有名なもののひとつである。作者自身もこれが表したいものを最もよく表現できた作品であると考えていたようで、友人にあてた1913年の手紙でもこの作品について自信たっぷりに語っている。
ボッチョーニはこの頃ピカソやブラックらのキュビスムの影響から脱して、彼自身の様式を確立しようとしていた。キュビスムの芸術家たちが対象を複数の角度から分析し、それらを作品上に不連続に展開しようとしたのに対し、ボッチョーニがここで試みているのは動きの中の様々な形態を一つの作品に連続的に表現することであった。それらを通して、未来派の目標とする、近代文明による伝統芸術の破壊を達成しようとしたのである。そのため、この作品ではサッカー選手や飛行機といった近代文化の新しいダイナミズムが大胆に取り入れられている。
この作品は、現在イタリア政府発行の20セント硬貨の図案として採用されている。
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