作品概要

イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢》は、画家のピエール=オーギュスト・ルノワールによって描かれた作品。制作年は1880年から1880年で、ビュールレ・コレクションに所蔵されている。

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《イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢》は、「少女イレーヌ」とも呼ばれる、1880年にルノワールが作成した肖像画である。現在はスイスはチューリッヒにある印象派芸術の美術館、ビュールレ・コレクションの中に所蔵されている。

背景

1880年当時、ルノワールの絵画は高値で取引されず、彼にとっては財政的に厳しい時期でもあった。一方、8歳になる娘の肖像画の作成を依頼してきたカーンは裕福なパリのユダヤ系銀行家であった。

絵の中では、少女が座し、左を向いている。よく手入れされた髪と、上等な衣服が、少女の無垢さをより際立たせているが、それはルノワールの技術の妙でもあると言えよう。少女の流れるような赤毛と、背景の藪とが織りなす鮮やかな対比、その一方で正確に描写される少女の表情が、極めて巧緻な技術で表現されている。

シャルル・グレイユのアトリエで絵画を学ぶ前に陶器の絵入れ職人をしていた頃の経験で培われた精緻な技能が、いかんなく発揮されているのである。

モデルと来歴

イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢は、後にイタリア貴族サンピエリ候と言う裕福な銀行家一族の縁談を受け、その後妻として嫁いだ。ビュールレコレクションの創始者エミール・ビュールレは、フランス当局の芸術品海外持ち出し許可を得たうえで、1949年にこの絵画をダンヴェール・サンピエリ女史本人から買い受けたという。

現代文化の文脈においては、ヌーヴェル・ヴァーギュの代表作『勝手にしやがれ』では、この絵画のレプリカが、ジーン・セバーグの演じる少女の部屋に飾られていたことから、フランス映画通にはおなじみの作品である。

基本情報・編集情報

  • 画家ピエール=オーギュスト・ルノワール
  • 作品名イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢
  • 制作年1880年-1880年
  • 製作国不明
  • 所蔵ビュールレ・コレクション
  • 種類油彩
  • 高さ65cm
  • 横幅54cm
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