作品概要
《若さ》は、画家のルネ・マグリットによって制作された作品。制作年は1924年から1924年で、バークレー美術館に所蔵されている。

マルグリットの試行錯誤
ブリュッセルの美術学校に在籍していた頃、マグリットは、印象主義、フォービズム、ネオ象徴主義を代わる代わる試みて行った。20代の時期には加えて立体=未来派とその影響をも取り込む。
マグリット自身が『探求』と呼ぶ時代である。しばらく続いた抽象の時代、マグリットは新造形主義とオルフィスム(抽象画)のあいだを揺れ動いていた。
探求の終わり
1924年には『色のプリズムのもとで都市を象徴する記号のあいだを女と船のシルエットが交差する』このような見事な作品を制作する。しかし、若い時期のこのような作品にみられる形象が力を持つネオ・キュービズム的な試みはこれを持って最後となる。
影響を受けた画家
その後マグリットは、自ら自分は二人の画家に大きな影響を受けたと主張している。デ・キリコとマックス・エルンストである。
デ・キリコの《愛の歌》を見た時マグリットは「デ・キリコの絵の図版を初めて見た時・・・それは私の生涯でもっとも感動的な瞬間に数えられる。私の目は初めて思想を見たのだ。」と語る。
感じやすい状態にあったマグリットは、すぐさま彼のスタイルに魅了され、想像力の篩が動き始めたのである。また、子供の頭脳を模したエルンストの《ピエタ、あるいは夜の革命》はマグリットに大きな感銘を与えた。
絵画技法
アサンブラージュ(立体的コラージュ)や夢の啓示を表すフロッタージュなどの絵画技法に至るまで、シュールレアリズムのあらゆる技術が潜在していたのである。
そんな2人からの影響を受けてマグリットは『形而上絵画』にむかっていくのだ。
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