作品概要
《空の鳥》は、画家のルネ・マグリットによって制作された作品。制作年は1966年から1966年で、個人蔵に所蔵されている。

中央に大きな鳥が切り取られたように描かれていてその中には明るい夏の空がいっぱいに広がっているのは1933年に描かれた『大家族』であるが、『空の鳥』はそれを思い起こさせる作品である。
この作品はサベナ国際航空からの依頼で作成された物であるが同じような鳥をモチーフとしている。(ブリュッセルでよく見られるかささぎではないかと言われている)一時はシンボルマークとして実際に翼に描かれ空を飛んでいたという。またその他の広告媒体にも使用された為我々の目には馴染みのある作品である。マグリットの得意のモチーフ、青空と白い雲が鳥の形に切りとられている。
実際には空は鳥の中ではなく、鳥が空を飛ぶものなのだが主客の逆転が革新的でおもしろい。空と鳥、我々の脳にインプットされている観念から一瞬違和感はない。商業用デザインとしても美しい作品となっている。しかしなにがおかしいのかを感じさせられまたマグリットの罠にはまってしまう。空も鳥も普通にあるモチーフなのだがマグリットの手にかかると不思議感が増加してしまうのがおもしろい。
マグリットの作品はどれもとてもシンプルな構成で平凡なモチーフを用いているのだがさりげない超現実性が用意されている。あまりにもさりげないのでそこにある本来の意味さえもあるのかないのかさえ意識させられない。神秘的で意外性に満ちた作品である。
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