作品概要
《立ち姿の裸婦》は、画家のアルベルト・ジャコメッティによって制作された作品。制作年は1961年から1961年で、ジャコメッティ財団に所蔵されている。

《立ち姿の裸婦》は、スイス出身の20世紀の彫刻家であり、画家でもあるアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)が1961年に制作した油彩画である。
モデルのアネット
画家の妻、アネット・アームは、ジャコメッティが頻繁に描いた女性のモデルである。1943年、アネットとジャコメッティは、スイスのジュネーヴで出会った。アネットはジャコメッティより20歳若かったが、1949年ふたりは結婚する。
アネットがモデルになったのは1946年からで、その頃ジャコメッティのパリのアトリエでいっしょに暮すようになる。肖像画だけではなく、女性のヌードのモデルもつとめていた。
本作は1950年代に画家が彫刻作品で表現した特徴と同じものが見受けられ、アネットがモデルだったことがわかる。後期の作品になると、モデルの特徴がそぎとられ、普遍的な人間として造形することを好むようになる。
スタンパで描かれた作品
1950年代の頃のたいていの裸婦画は、アネットがモデルをつとめていた。場所はパリのイポリット・メンドロン通りにあるアトリエだ。そのことは画面に描き添えられている家具や仕事道具などから判別がつく。
いっぽうで、画家の故郷であるスイスのスタンパでも数点絵が描かれている。本作はスタンパで描かれている。スタンパのアトリエは床板の描写からわかる。あとは余計な物は覗かれ、ありのままの姿が描かれている。カンバスはグレー単色のみを用いている。同時期の肖像画の特徴であるフレームもつけられている。
画面の下部に署名と制作年が記載されている。画家の生存中には一般に公開されなかった。
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