作品概要
《空間における壜の展開》は、画家のウンベルト・ボッチョーニによって制作された作品。制作年は1913年から1913年で、リディヤ・ウィンストン・マルビン・コレクションに所蔵されている。

《空間における壜の展開》はウンベルト・ボッチョーニによって1913年に制作されたブロンズ彫刻である。この作品はニューヨークのリディヤ・ウィンストン・マルビン・コレクションに所蔵されている。オリジナルの石膏モデルはブラジルのサンパウロ大学附属美術館に所蔵されている。ブロンズで鋳造されたものはミラノ市立美術館、ニューヨーク近代美術館、チューリヒのクンストハウス、そしてニューヨークのリディヤ・ウィンストン・マルビン・コレクションの4館が所蔵している。
作品
作品の中央には壜がたらいのようなものの中に入って立っている。本来なめらかな円筒形であるはずの壜の表面は、螺旋状に波打っている。ここでは壜の内部と外部の空間が交流しあい、壜が螺旋状に回転することによって、遠心力によって膨張していくというボッチョーニのイメージを表しているという。鋭い彫刻の線によって光と影が作り出され、動きの激しさを一層強調する。このような「動き」、「激しさ」は未来派の重要なキーワードであった。
このような試みは、すでに1912年の鉛筆素描《テーブル + 壜 + 家々》(ミラノ、スフォルツェスコ宮殿、市立版画素描館)でも行われている。この作品においては表現の舞台が三次元に移され、より大胆に対象とその周りの物や空間との相互の動きの表現がより実験的に、大胆に試行されている。
失われた作品
ボッチョーニは、このブロンズ彫刻の型となった石膏作品の他に、2つの同じテーマの作品を制作している。一つは赤く塗られたもの、もう一つは少し形を変えたものであったというが、これらは1917年に破壊された。
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