作品概要
《ヘーゲルの休日》は、画家のルネ・マグリットによって制作された作品。制作年は1958年から1958年で、クルール・デュ・タン画廊所蔵に所蔵されている。

こうもりがさの上に水の入ったコップが置いてある。バックはまるでお日様が当たっているような淡いオレンジ色である。水を受け入れるコップに対して水(雨)をはじく傘という相反する二つのものを描いてある。
言葉にしてしまうと理解できるものではあるが、それをキャンバスに描いた時にはこのようになってしまう。そして二つのモノは宙に浮いている。現実的なオブジェが非現実的に描かれている。
見る者の頭脳は理論的な解釈を求めようとする。マグリットの説明によると彼はまず小さなシミをキャンバスに描き、そこからコップに、そして傘にと発展していったという。
「私は、ヘーゲル(ドイツの哲学者)ならば、水を欲しない(はね返す)と同時に欲する(容れる)という、2つの対立する機能を持ったこのオブジェに対して、とても敏感に反応しただろうと考えました。彼はこれに魅惑されるか、これを(休暇中のように)楽しむか、しただろう、と私は思います。それで私はこの絵を“ヘーゲルの休日”と名付けました。」
元々は詩人のポール・ヌージェにインスピレーションを得たようであるタイトルだ。マグリットは作品が完成すると友人達と集まりタイトルのディスカッションをすることが多かったという。しかし妻のジョルジェットによると、友人達の助言でつけたタイトルも一晩すると自分で決めたものに変えてしまうことがしばしばあったという。最終的にはマグリット的言葉の遊びということなのだろうか。
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