作品概要
《鳥を食べる少女》は、画家のルネ・マグリットによって制作された作品。制作年は1927年から1927年で、デュッセルドルフ、ノルトライン=ヴェストファーレン州立美術館に所蔵されている。

『鳥を食べる少女』はマグリットの作品の中でもグロテスクの要素の強い作品の一つで、『殺人スカイ』と『脅かされる暗殺者』の姉妹作品と言われている。テーマとしてはマグリットの今までのものとは違っていてその翌年に描かれたものと比較をするとそれが際立ってわかる。
マグリットはある日鳥の形をしたチョコレートを妻が食べていた事からインスピレーションを得たらしいという説と、ある批評家にいわせるとマグリットの友人で詩人のポール・ニュージュが作った詩、『鳥を食べる少女』に影響を受けているのではないかと言う説がある。しかし後者の説はそのまま反対にも取れるという。マグリットの作品がポールにインスピレーションを与えたという可能性もあるのだ。
その詩の内容は、ある夏の日少女が口を血まみれにしながら恍惚の表情で生きた鳥を食べるという内容である。確かにこの作品は少女が鳥に囲まれながら一匹の鳥をそのまま貪っているという絵で手も口も襟元も血がこびりついているのが見える。不気味なのはこの少女が野性的ではなく、どこの都会にもいるきちんとした身なりの少女でありながら生きている鳥を貪りながら恍惚の表情を浮かべているというところである。
もっともマグリットはこの作品に関して作者の意見や周りで影響を受けた人たちなどの情報を開示することは望んでいないであろう。マグリットはいつものように見るものに想像力を駆使し感じ取ってもらいたいと考えているのだろう。
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