作品概要
《ディエゴの胸像》は、画家のアルベルト・ジャコメッティによって制作された作品。制作年は1964年から1964年で、ジャコメッティ財団に所蔵されている。

《ディエゴの胸像》は、スイス出身の20世紀の彫刻家であり、画家でもあるアルベルト・ジャコメッティ(1901-1966)が1964に制作した彫刻作品である。
人間の本質に訴えかける
ジャコメッティは若いうちから、すでに頭部の型を粘土などで作っていた。その訓練のおかげで、画家をとりかこむ世界の光景を描くことができるようになった。1962年、フランス人ジャーナリスト、アンドレ・パリノーにジャコメッティは以下のように話している。「顔を描けば、ほかのすべてがわかる。顔を描かなければ、何もわからない」
そう語りながら、弟も何度となくモデルとして使ったといわれる人物の胸像を描いた。それは従来の意味で単に肖像、胸像などという域にとどまらず、人間の本質を心に訴えかけるような作品となった。逸話の場面を描いた作品ではないにもかかわらず、1950年から1960年代の画家の研究者たちの関心を引いた。
弟、ディエゴ
画家のモデルを頻繁につとめていた1歳違いの弟ディエゴ・ジャコメッティは1920年代中頃から制作のアシスタントとなった。はじめは兄アルベルトとアトリエを共同で借りていたが、イポリット・メンドロン通り46丁目の隣に別のアトリエを借りた。
近くに住んでいたため、いつでも弟をモデルに使うことができた。弟のおかげで、ジャコメッティは際限なく自分の目で確かめながら、人間の頭部を描く訓練ができた。人生と記憶が制作と交じりあい、モデルとのあいだに親密さが生まれ、ボールペンや指から画家自身の絵の特徴があらわれている。
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