作品概要
《放蕩一代記(2,襲名披露)》は、画家のウィリアム・ホガースによって制作された作品。制作年は1732年から1735年で、大英博物館に所蔵されている。

『放蕩一代記』は1735年にウィリアム・ホガースが自己の絵画を元に版画として作成した八枚組作品で、二枚目は、レイクウェル家がロンドンに設けたパラディアン様式の屋敷の中で行われる、トムの遺産相続・家名襲名披露の催しの様子を描いている。
大勢の音楽家や取り巻きがトムの周りに群がっており、その顔触れは詩人、カツラ職人、仕立て屋、(当時人気があったカストラート、フェリネッリあてに貴族から贈答された品の目録を背中に張り付けた)音楽家、フェンシング教師デュボワ、(ジェームズ・フィグと思われる)目録持ちの棒術師範、(こちらはジョン・エセックスと思われる)ダンス教師、兵隊上がりの用心棒、キツネ狩りの猟犬係、銀杯を携えた騎手、(チャールズ・ブリッジマンと思しき)造園家、等々。
フェンシングと踊りの教師はフランス風の出で立ちをしており、ホガースが忌み嫌った類の一つである。壁にかかる複数の絵には、闘鶏の雄鶏が描かれているものもあれば、ホガースが好まなかったイタリアン・ルネッサンス以降の画家の主要作品らしきものも見受けられる。トムは一枚目で新調されたと思しき、当時の流行に則った屋内向けの豪奢な服に身を包んでいる。
一説によれば、ハープシコードに座って音楽を奏でようとしている人物は、ホガースの良きライバルヘンデルではないかとも言われている。ホガースはイタリア風のオペラを好ましく思っておらず、それは初期の版画『仮面舞踏会とオペラ』によく描かれている。
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