作品概要
《平面の質量》は、画家のウンベルト・ボッチョーニによって制作された作品。制作年は1912年から1912年で、ピナコテーク・デア・モデルネに所蔵されている。

《平面の質量》はウンベルト・ボッチョーニによって1912年に制作された油彩画である。この作品は現在ミュンヘンのピナコテーク・デア・モデルネに所蔵されている。
独自様式への到達
この作品は1913年2月にローマのテアトロ・コスタンツィで展示された。その際、「輝くいくつもの平面、動きを表す線、ボリュームのすべてが堅固に接続されている」と批評家のエミリオ・セッキは高い評価を下している。
ボッチョーニは著書『未来派の彫刻、絵画』において、「物体の平面と質量はもはや互いに独立したものではなく、新しい独立性、つまり独立した組織(=絵画)を形作るために必要な限り、互いに浸透し合うものである。そしてそれは、芸術家こそが作り出さねばならないものなのだ。」すなわち、ここでボッチョーニは相矛盾する「平面」と「立体」という2つの概念を統合しようと試みているのである。この考えは特に1912年ごろにボッチョーニが精力的に取り組んだ課題であった。
彫刻への挑戦
ボッチョーニはこの時期、上記の考えに基づいて彫刻にも挑戦している。現在ニューヨークのリディヤ・ウィンストン・マルビン・コレクションに所蔵されている《反優美》は《平面の質量》の彫刻版ともいえる作品で、1912年に石膏モデルとして制作され、のちにブロンズで成形された。ここでもボッチョーニは「互いに浸透し合う」平面と質量を、今度は立体作品で統合しようとしているのである。
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