作品概要
《花盛りの林檎の木》は、画家のピエト・モンドリアンによって制作された作品。制作年は1912年で、ハーグ市立美術館に所蔵されている。

《花盛りの林檎の木》は当時キュビズムに影響を受けていたモンドリアンが作品の中で網目の形状を生み出し完成させる経過が見られる作品である。
作品背景
1912年に完成させた作品「木々のある風景」以降、黒い線の網の目は、彼の絵画の中で以前のアーモンド形と同様、常に同じ機能を担うことになった。黒い線は彼独自のものの見方の印となったとも捉えることができる。彼は網の目と自然の姿とを溶け合わせることに自分らしさを見出したのだ。そしてそれと同時に独特な黒い線の網目から木のモティーフを見出したのである。画面上の黒い線が彼の目には枝の絡まり合いのように映ったのだろう。
作品概要
1912年に制作された「灰色の木」では、林檎の木の葉の量感とそれに隣り合う灰色の大気を表現しようとしている。明確な線構成を持ち、現実の果樹園の有り様や匂いを記憶の中に彷彿とさせるくらいやや写実に近い表現を用いている。
そして同年の本作「花盛りの林檎の木」を完成させる。本作でモンドリアンはわざと色の層を透明に仕上げている。木がどこにあるかということはどうでもよいといっているようにも感じる。ここでは画面構成は中心部から、木に花が咲いて実がなるのと同じように広がりを見せている。
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