作品概要
《木々のある風景》は、画家のピエト・モンドリアンによって制作された作品。制作年は1912年で、ハーグ市立美術館に所蔵されている。

《木々のある風景》はモンドリアンがパリへ渡った時の初期の作品として有名である。
作品背景
1911年末、モンドリアンはパリへ向かった。それは彼が同時代最大の画家と認める男、パブロ·ピカソに学びたいと思ったからであった。この頃彼はすでに40歳へさしかかかっていた彼にとってずっとコンプレックスだった父親の存在や青年期の幻想を捨てる大きな出来事となった。
パリでの生活をスタートさせたモンドリアンはピカソやブラックをはじめとする前衛画家に影響を受けることになる。
作品概要
この頃ピカソとブラックは2つの黒い線からなる根本要素を作り上げ、それを自分たちの作品すべての基礎としていた。ふざけ好きで夢見がちだったブラックは、この黒い線を画面上に規則的な模様のように散らすことを好んだ。そしてピカソの方は、画家の用いる線が可視世界での足場であるかのように扱った。このように些細な違いはあれど共通店の多いこの二人の画家の作品からモンドリアンは自らの表現を生み出すことになる。
1912年に彼は画面に格子状に広がる黒い線を用い、同年本作を完成させる。本作は、ステンドグラスで用いられる鉛の枠のようなものがそれぞれのフォルムを囲んでいる。モンドリアンにとって、線は絵の基盤となっていた。彼の描く画面は、黒い線の網の目で分割され、その線と線の間に画家はあたかも平面に書き込むようにフォルムをはめ込んだようにも見える。
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