作品概要
《黄、黒、青、赤、灰色の絵画2》は、画家のピエト・モンドリアンによって制作された作品。制作年は1922年で、ソロモン・R・グッゲンハイム美術館に所蔵されている。

《黄、黒、青、赤、灰色の絵画2》からはモンドリアンの代名詞である原色から白い画面へ創造を広げていた時代の試行錯誤を感じる。
作品概要
1921年頃から以前の鮮やかな三原色の、色彩を復活させるがモンドリアンはそれでは飽き足らなかった。そこで、この三原色と講師の表現を次の段階へ進めるために試行錯誤を繰り返していた。その試行錯誤は長期にわたり、彼が絵の具の乾燥を助けるために石油を使ったことで何度も重ねられた絵の具は修復ができないほど剥がれるほどだった。
彼の試行錯誤は自分の半生まで及んだ。モンドリアンは自分の人生から伝説を作り上げようとし始めたのだ。自分自身については選りすぐったことしか語らず、自分に宛てられた手紙や若い頃の記録を破棄した。自分で整えたアトリエの生活圏で、彼は持論を具現化することに注力し、過去を捨てようと試みた。これにより、人々の記憶に彼が伝説的な人物で純粋なフォルムに捧げた人生を歩んだということを植え付けた。
作品概要
1921年以降に制作された作品は、何もない白い平面への偏愛がいよいよ募っていったことが現れている。1921年の作品に現れた色とりどりのにぎやかな表現は、柔らかでより荘重な造形に道をゆずることとなった。
そして本作では、色鮮やかな面は隅に押しやられている。画面の中の運動速度は遅くなっているが、それは何よりも左端の青い四角形が回転運動の錯覚を阻んでいるからである。しかしこのコンポジションは、視覚的に動きを制止しているわけではない。むしろ全体が静かに呼吸しているという印象を与えているように見える。右端を上下に貫いている垂直線が安定感を与え、色彩面の間に距離があるために大きさと落ちつきとを感じさせる。絵の中央には、ただ白い面が置かれているだけであり、下端にも白地が残っている。全体の持つ抽象的な性格は、それ以前のモンドリアンの作品よりも強く感じられる。
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