作品概要
《色面3のコンポジションNo. 3》は、画家のピエト・モンドリアンによって制作された作品。制作年は1917年で、ハーグ市立美術館に所蔵されている。

《色面3のコンポジションNo. 3》は一時期モンドリアンがモチーフとして取り上げていた幻想世界を創造した表現が顕著に表れている。
作品背景
現実世界から抽象の対象を見出せないと見切りをつけたモンドリアンは幻想の世界へと創作を広げることになる。この幻想を作り上げるためには、作品の中に空想が働く余地を残すことが大切であった。たとえば1917年に制作された「色彩のコンポジションA」では白地に色とりどりの四角形と黒い線がいくつか飛び交っており空想の働く余地を与えている。
作品概要
本作はモンドリアンの作品中でも最も美しいものの1つだが、ここでは黒い線は消え失せ、白地にパステルカラーの四角形が軽やかなリズムに乗って動いているように見える。彼はテオ·ファン·ドゥースブルフに、これらの作品はアトリエの中の位置と密接な関わりがあり、またある1日、その日だけの光を反映しているものだ、と書き残している。
モンドリアンとファン·ドゥースブルフはこの頃、新しい絵画と、現代的な建築とを結びつけねばならないという点で意見が一致していた。単純な白い建築物とはっきりした色彩との組み合わせで幻想的に作られた世界が、彼らがよく「褐色の」と呼んだ、侘びしくもかび臭い19世紀の世界にとってかわったのかもしれない。
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