作品概要

グラスに挿したバラ》は、画家のピエト・モンドリアンによって制作された作品。制作年は不明年で、ハーグ市立美術館に所蔵されている。

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《グラスに挿したバラ》はモンドリアンが1919年に再びパリへ戻り仕事がない時代に描かれたものとされているが制作年は明らかではない。

作品背景

「格子のあるコンポジション8:チェッカー盤暗色」を完成させたモンドリアンはその後、色鮮やかな格子柄の絵画を多く制作する。1919年の夏、モンドリアンはパリに戻った。そこは以前と何も変わりがないように見えた。彼のアトリエは5年間閉め切られていたため、毛布は蛾に食い荒らされていたが、作品はすべてちゃんとしていたのだ。しかし最新の展覧会を見に行ったとき、彼は何かが変わっているのに気づいた。パリ中を見渡しても、自分の新しいフォルムに匹敵するものは何1つ見つからなかった。ピカソさえ再び非常に具象的な方向をめざしていたことは、モンドリアンをがっかりさせた。

当時のパリの美術評論家の間では、色彩とその感覚的な力についてが多く論じられていた。モンドリアンはそれらの評論を読んでおり、その影響もあって彩り豊かな格子を描いたものと思われる。抽象画の衰退やピカソへの落胆がありながらも、世論を気にしがちという点が実にモンドリアンらしい。

そしてここにきて彼は、自分が1912年以来求め続けて来たものに、到達したのだということに気づき始めた。彼はピカソやブラック凌駕し、仲間内で最も抽象的かつ現代的な画家となっていたのである。しかしこの勝利に続いて、まもなく深い落胆に襲われた。かつてパリを故郷のように感じたのは、ピカソやブラックのような共感性を持てる友人がいたからであった。しかし今となっては恐ろしいほどよそよそしい土地となってしまった。そして彼はいったい自分は誰のために描いてきたのだろう。誰も認めてくれない成功など、いったい何になるだろう。という考えに行き着いた。そして後援者からの援助打ち切りも近づき、彼はパリを去る決心をする。

しかしながら結局、モンドリアンはパリにとどまることになる。彼の厳しい資金繰りを見かねたオランダの芸術仲間たちが、わずかではあるが定期的な収入の道を見つけてくれたのである。コレクターのサロモン·スレイパーは、花の絵を注文する客を見つけてくれ、以後モンドリアンはその手の作品を多数描くようになる。この時期に制作された作品の一つが本作である。

いままでは全くモチーフとしてこなかったため、モンドリアンのこれまでの作品と以後の作品と比べても全く新しい領域といえよう。しかなしながら、人に頼まれた作品だからなのか彼らしさは薄く、芸術作品としての新しさも皆無だ。

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基本情報・編集情報

  • 画家ピエト・モンドリアン
  • 作品名グラスに挿したバラ
  • 英語名未記載
  • 分類絵画
  • 制作年不明 - 不明年
  • 製作国不明
  • 所蔵ハーグ市立美術館 (オランダ)
  • 種類水彩
  • 高さ27.5cm
  • 横幅21.5cm
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