作品概要
《コンポジションB》は、画家のピエト・モンドリアンによって制作された作品。制作年は1920年で、ドイツに所蔵されている。

《コンポジションB》はモンドリアンの原色回帰を決定的なものにした作品の一つである。
作品背景
本作でモンドリアンは原点回帰を果たす。彼の三原色は1908年から1911年にかけて、「日の当たる風車」や「進化」などが有名だが、1911年に突然消えてしまっていた。それがここに来てよみがえったのである。最初は黄緑やオレンジ色といった混合色も用いられていたが、1921年の終わりには下地は白に統一され、色彩は原色になった。スタイルの変化と原色への回帰は、モンドリアンの人生における悲劇である父の死と重なった。
1919年頃から彼は今までの自分の仕事に行き詰まりを感じていた。そして彼はもはや格子のモチーフに関心がなくなっていた。そして絵画を基本的な要素に還元することで、色鮮やかな装飾というより豊かな芸術の基礎に帰りたいと考えていたのである。
作品概要
1920年、彼は画面を大きくしてより強烈な色彩を用い始めた。作品に現れる色彩面が少なくなったために、全体の規則性も薄くなっていった。
本作では画面中央に4つの正方形を置き、右下の赤い正方形は下方や前方に向かって動いているように見える。左下の正方形は淡灰色で、後方と上方への動きを見せている。それはこの上の2つの黄色い正方形よりも明度が高いと同時に色相が控えめだからである。この4つの小さなブロックからは時計回りの方向に回転運動が起こっているようにも見える。モンドリアンがそれを計ったかは分からないが、ここでもまたゴッホの遺産である渦巻く中心が、現れている。この運動はまた、これらを取り囲むもっと大きな、色の濃い部分からなる縁も巻き込んでいく歯車のようにも見える。
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