作品概要
《サムソンとデリラ》は、画家のレンブラント・ファン・レインによって制作された作品。制作年は1628年から1630年で、ベルリン絵画館に所蔵されている。

本作で描かれているのは、旧約聖書の士師記13章から16章に登場するサムソンの物語である。
古代イスラエルの士師の一人で怪力の持ち主として有名である。イスラエルの民がペリシテ人に支配されて、苦しめられていたこと、ダン族の男マノアの妻に主の御使いが現れる。彼女は不妊であったが、子どもが生まれることが告げられ、次のことを守るように告げられた。
それは「ぶどう酒や強い飲み物を飲まないこと」「汚れたものを一切食べないこと」「生まれるこの頭にカミソリを当てないこと」の3つであった。こうして生まれた男の子がサムソンであった。サムソンは20年間イスラエルを治め、ソレクの谷に住むデリラという女性を愛するようになった。サムソンに煮え湯を飲まされていたペリシテ人はデリラを利用してサムソンの怪力の源を探ろうとした。サムソンはなかなか秘密を教えなかったが、とうとうデリラに頭にカミソリを当ててはいけないという秘密を話してしまう。
デリラの密告によってサムソンは頭を剃られ力を失いペリシア人に目をえぐられるが、神に祈ると元通りになったという。
薄暗い室内でサムソンの頭を抱くデリラ。その後ろにはペリシア人と思われる二人がまさにサムソンの髪を剃ろうとやってきている。それぞれの顔は怯えているようであり、サムソンの怪力を恐れていることが伺える。レンブラントらしい光の表現によって、男の持つカミソリとサムソンにハイライトが当てられており、その緊張感を伝えている。
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