作品概要
《ロトとその娘たち》は、画家のギュスターヴ・クールベによって制作された作品。制作年は1844年から1844年で、個人に所蔵されている。

《ロトとその娘たち》は、ギュスターヴ・クールベによって1844年に制作された油彩画である。
主題の物語
描かれているのは、旧約聖書の登場人物であるロトと、その2人の娘たちである。アブラハムの甥であるロトは、移住先であったソドムが滅ぼされることを天使から聞き、その前に妻や娘たちと脱出する。振り返ってはいけないと言われていたにもかかわらず、ロトの妻は後ろを振り返ってしまい、塩の柱になってしまった。その後ロトと娘たちは洞窟に移住する。ロトの娘たちは父親を酒で酔わせて誘惑し、近親相姦におよんで男児を一人ずつ生んだ。
数少ない初期作品のひとつ
クールベは、パリに出てすぐに、風俗画家のフランソワ・ボンヴァンと知り合った。この出会いは非常に重要なものであった。クールベは、リュクサンブール美術館およびルーヴル美術館で巨匠の作品を模写するという慣例的方法を彼から学んだ。ジェリコー、シャセリオー、ドラクロワといった先例にならい、クールベは17世紀および18世紀の北部バロック様式絵画、イタリア・ルネッサンスのヴェネツィアおよびボローニャ派、ベラスケス、スルバラン、ムリーリョの作品などを探求した。
この時期に制作された作品の中で生き残ったものとして、グエルチーノの《聖ヒエロニムスの幻視》(1840年)の模写と、本作《ロトとその娘たち》がある。クールベは他の初期作品のほとんどを破壊し、ロマン主義の遺産に取り組んだといえる肖像画や、大きな歴史画のみを残すのみであった。
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