闘技者たち

《闘技者たち》は、ギュスターヴ・クールベによって1853年に制作された作品である。現在ブダペスト国立西洋美術館に所蔵されている。

レスリングをする男性

グレコ・ローマン・レスリングに触発された「フランス・レスリング」に従事する2人の男性を描いている。描かれた場所は、パリのシャンゼリゼにあった競馬場である。巨大サイズのキャンバスを選んだクールベは、アレクサンドル・ファルギエールの《闘技者たち》（1875年）に影響を与えた。

評価

本作は1853年に《浴女たち》とともに初めてサロンで展示された。クールベは本作について、1853年5月13日に両親に送った手紙の中で、「私は彼らの裸体を覆った。評論家はまだそのことについて良いとも悪いとも言っていない」と述べている。これとは対照的に、《浴女たち》は議論を呼び、恐らく本作への人々の関心を奪う形となった。

彼はまた、ファウストの伝説に触発され、1848年のサロンで展示された作品《ワルプルギスの夜》（1841年）のフレームを再利用したことを明らかにした。経済的な問題により、彼はそのキャンバスを再利用しなければならなかったのである。

来歴

1867年、本作はシュノンソーでレオン・ハーシュ男爵のコレクションに入った。その後1918年に《世界の起源》を購入した裕福なハンガリー人フェレンツ・ハトヴァニ男爵（1881-1958）によって1908年に購入された。1952年5月にブダペスト国立西洋美術館の所蔵となり、2010年に修復された。その後2012年に、オルセー美術館で展示された。フランスにおいては60年ぶりの展示であった。