作品概要
《歴史画》は、画家のレンブラント・ファン・レインによって制作された作品。制作年は1626年から1626年で、ラーケンハル市立博物館に所蔵されている。

レンブラントが活躍した80年戦争(1568年から1648年)の終わりから17世紀にかけてはオランダ黄金時代と呼ばれる。80年戦争でスペインからの独立を果たしたネーデルランドは当時のヨーロッパでは最も裕福な国で、貿易、学問、芸術において最先端であった。
この時代、オランダ人やオランダで活躍した外国人画家たちは数々の名作を制作した。当時のヨーロッパ絵画において特長的なのは、初期のヨーロッパ絵画に比べて宗教を扱った絵画が少ないことである。カルヴァン主義は宗教画を教会に飾ることを禁じており、個人宅に飾られることも殆ど無かった。そのため、宗教画と同じく伝統的なジャンルである歴史画や肖像画が制作されたのである。歴史画は、当時描かれた絵画のジャンルの中でも最上位に位置づけられており、その下に肖像画や風俗画、風景画などが続いた。
画面には大勢の武装した男たちが並び、奥には動物のモニュメントが乗った塔など興味深い建築物が見られる。奥にいる兵とみられる男たちは整然と立ち並び、その前に隊長とみられる男が威厳を感じさせる表情で立っている。手前の神殿のような建物には王と思われる男が何かを命じるように王笏をもち、段下に膝を折った男たちが手を掲げてそれに応えている。兵たちに見られる近代的な武装からも、80年戦争など近しい時代に主題をとったものであろう。独立当時のオランダでは需要のあった歴史画であるとも言えるだろう。
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