作品概要
《アンドロメダ》は、画家のレンブラント・ファン・レインによって制作された作品。制作年は1630年から1630年で、マウリッツハイス美術館に所蔵されている。

薄暗い画面の中に両手を拘束された裸体の女性が顔をひきつらせながら、やや右上の方を見つめている。女性にハイライトが当たる一方で、岩肌や草花は暗く生気なく描かれており、見るものに不安を抱かせる。
この作品はギリシャ神話をモチーフとしている。ある日、エチオピアの王妃カシオペアが自分の娘アンドロメダ姫を「海のニンフ達より美しい」と自慢したため、海の神ポセイドンを怒らせてしまう。この海のニンフというのが海の神ポセイドンに仕える妖精で、ポセイドンの孫娘にあたったからである。ポセイドンはカシオペアを懲らしめようと化けくじらをエチオペアに差し向ける。
化けくじらは津波を起こしては農作物を押し流し、エチオピアの国は大混乱に陥った。困り果てたエチオピアの王が神にお伺いを立てると、「アンドロメダを化けくじらの生け贄に差し出せ」とのお告げがあった。王は国を守るため、泣く泣くアンドロメダを海岸の岩に縛り付けた。そこをメデューサを退治し故郷に戻ろうとしていた勇者ペルセウスが通りかかる。ペルセウスが見たものはすべて石になってしまうというメデューサの首を化けくじらにつきつけると、化けくじらは石になって海に沈んでしまった。その後ペルセウスとアンドロメダは結婚し、末永く幸せに暮らしたという。
レンブラントの画業の初期にはこうした神話や歴史から主題をとった作品が多く見られる。このころからハイライトを当てて、晩年の作品にも繋がる劇的な場面を作り出す技法が用いられている。
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