最後の審判のラッパを聞く聖ヒエロニムス

《最後の審判のラッパを聞く聖ヒエロニムス》は、ジャック＝ルイ・ダヴィッドによって1779年から1780年の間に制作された作品である。現在、カナダのケベック・シティーにある文明博物館に所蔵されている。この作品は、カナダにある2つのダヴィッド作品のうちの一つである。

革命の時代を生きた画家

典型的な新古典主義の画家、ダヴィッドの記念碑的な作品は、おそらく伝統的歴史画の最後の勝利だったといえる。ファッショナブルなグレコ・ローマン様式を採用したダヴィッドは、こうした古風な主題を啓蒙主義の哲学と混ぜ合わせ、道徳的な模範を作り出した。

彼の直線は、当時の政治を反映した物語を劇的に描いた。ダヴィッドは当時の最高の画家として、ルイ16世の君主制、革命後の政府、およびナポレオン・ボナパルトに仕えた。これらの治世には根本的な違いがあったにも関わらず、である。ダヴィッドはまた、ドミニク・アングルやフランソワ・ジェラールといった弟子を抱えた重要なアトリエを運営した。

主題の物語

四大ラテン教父の1人であったヒエロニムスは、アトリビュートである十字架、 頭蓋骨と聖書をそばに置いた、世捨て人として描かれている。右手に羽ペンを持ち、ウルガータ（ラテン語訳聖書）を書いているところである。彼は枢機卿の赤い衣装を着ている。これは、教皇ダマスス1世の秘書としての役割を示している。頭蓋骨は、この知的で悔恨的な生活についての暗示である。