作品概要
《捨てられたプシュケー》は、画家のジャック=ルイ・ダヴィットによって制作された作品。制作年は1795?年で、個人に所蔵されている。

《捨てられたプシュケー》は、ジャック=ルイ・ダヴィッドによって1795年頃に制作された作品である。現在は個人に所蔵されている。この作品は、背景の青空と丘を背景にして、クピドに捨てられた裸体のプシュケを描いている。縦型の形式はダヴィッドの初期のスタイルを表しており、女性の裸体に対するアプローチがアカデミーの標準とは異なることを示している。
主題の物語
主題は、帝政ローマの弁論作家のルキウス・アプレイウスの小説「黄金の驢馬」(2世紀後半)内の挿話として有名な「クピドとプシュケー」である。愛の神クピドは、美しいプシュケーと恋に落ち、彼女を彼の宮殿に連れて行く。クピドは毎晩プシュケーのもとを訪れるが、決して顔を見せることはしなかった。しかし、好奇心に負けたプシュケーはある夜、眠ったクピドの顔を見る。そのとき、一滴の熱い油が彼女のランプから落ちてしまう。目を覚ましたクピドは彼女を捨て、宮殿は姿を消した。その後プシュケーはさまよい歩き、恋人を取り戻すためにウェヌスから与えられる無理難題に取り組むことになる。
捨てられたプシュケ
本作では、クピドに捨てられた孤独なプシュケを描いている。クピドとプシュケーの物語の中でもこの「捨てられたプシュケ」という情景を主題として作品が作られるようになったのは、18世紀に入ってからのことである。ダヴィッドと同時代のフランスの彫刻家オーガスティン・パジューも、同主題で1790年に彫刻を制作している。
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