作品概要

ヴェネツィアの道》は、画家のジョン・シンガー・サージェントによって制作された作品。制作年は1882年から1882年で、ナショナル・ギャラリー・オブ・アートに所蔵されている。

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《ヴェネツィアの道》は木製パネルの上に油絵で描かれた作品だ。場所はカナル・グランデの近くに位置する静かな裏通りで、ポスト印象派の様式で描かれている。

場面と構成

サージェントは他にも滞在中にヴェネツィアの風景を数々描いているが、他の作品でもヴェネツィアの良く知られた街の風景ではなく、とげとげしい印象の裏通りの風景が多く描かれている。本作もドレスを描く一筆の幅が広く、珍しい切り取り方をした構成など、印象派の影響が顕著に表れている。

若い女性が右足でスカートを蹴り上げ、右側の陰にいる二人の男性をちらりと見ながら、敷石に沿って歩いている様子を切り取った画となっている。男性二人は濃い色の服を着て何やら話しており、少し怖そうな印象がある。男性たちの目線は女性に向けられている。

画の中央の背景には、カフェの外の席に座るカップルがいるが、二人の男性とは対照的に女性には興味がなく、自分たちの世界に入り込んでいる。女性のショールとスカートの縁はヒラヒラと揺れており、急いで通り過ぎようとしている様子がわかる。

構図と色使い

サージェントは当時、ディエゴ・ベラスケスの作品を研究しており、広い範囲で暗い色を使い、床を明るく描いて人物の形を目立たせるという手法の影響を受けていると思われる。また、風景を近い距離で切り抜き、写真のように動きの一瞬を捉えたような構図は、写真家カーロ・ナヤの影響も受けていたと考えられる。

本作は望遠鏡で近くに寄ったような距離感で、下降する形の長方形の連なりで構成されている。女性の頭に向かって下っていく角度が閉所恐怖症のような印象を与えているが、少し見える青い空の部分がそれを軽減している。

基本的にモノクロームの色使いとなっているが、女性の髪飾りや背景のカフェあたりに差し色として少し赤が入っている。サージェントは色よりもトーンの方に重点を置いて絵を描いていたようだ。

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基本情報・編集情報

  • 画家ジョン・シンガー・サージェント
  • 作品名ヴェネツィアの道
  • 英語名Street in Venice
  • 分類絵画
  • 制作年1882年 - 1882年
  • 製作国イタリア
  • 所蔵ナショナル・ギャラリー・オブ・アート (アメリカ)
  • 種類木製パネルに油絵
  • 高さ45.1cm
  • 横幅53.9cm
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