作品概要
《人生(ラ・ヴィ)》は、画家のパブロ・ピカソによって制作された作品。制作年は1903年から1903年で、クリーヴランド美術館に所蔵されている。

本作品はピカソの「青の時代」に制作され、その時代の集大成といわれる作品である。作品の左側に描かれている裸で寄り添っている男女は親友のカサジェマスと恋人のジェルメールである。
カサジェマスは失恋し、ピカソは落ち込んだカサジェマスを励ますが、ジェルメールを道連れに拳銃で自殺したが、ジェルメールは撃たれたふりをしたので死んではいない。
ピカソは親友を救うことができなかったことで自分自身を責め、このことが後のピカソの「青の時代」に大きく影響してくる。
作品の右側にいるのは母子像であり、母はカサジェマスを見つめ、カサジェマスは赤子を指さしており、ジェルメールは下を向いている。二人の男女と母子像の間には二枚の絵があり、上は抱き合う男女、下には元気をなくしている人物で失意と絶望を感じさせる。
なお、カサジェマスの自殺の原因は、自身の性的不能と言われており、それで母の無表情でありながらも慈愛に満ちた視線はカサジェマスに向けられ、性的不能であることには振り向かないジェルメールは視線を下に落としているのだ。
ピカソはスペインの画家であるエル・グレコの影響を多少なりとも受けているが、本作品でもエル・グレコを思わせる垂直的な画面構成などが見られる。
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