作品概要
《アンブロワーズ・ヴォラールの肖像》は、画家のパブロ・ピカソによって制作された作品。制作年は1910年から1910年で、モスクワ ブーキシン美術館に所蔵されている。

モデル
本作品のモデルとなっている、「アンブロワーズ・ヴォラール」は、19世紀から20世紀にかけてフランスで最も重要だった美術商の一人であり、ピカソと深く関わりがあった。
ピカソも含め、フィンセント・ファン・ゴッホ、ジョルジュ・ルオー、アリスティード・マイヨールらなどの印象派や、ポスト印象派の多くの画家と親交があり、当時有名無実だった、彼らに対して物質的・精神的な援助を与え、個展を開いて、世界に知らしめたことで特筆される人物である。
作品の技法
作品の特徴として、画面を切り込むような線が何本もあり、それらが切り子のような面がランダムに並べられている。ヴォラールの顔つきについては、がっかりしたような目をした、大きく不愛想で野暮な奴などと言われており、それは作品の中でも厳しい表情で表されており、光が当たっていることによって平坦にリズミカルに並べられた画面の中から顔が浮かび上がっているのだ。
人や物を平面に細分化し解体し、画面上で組み合わせたり重ねたりすることで、遠近法で表される空間とは異なった空間を表現している。
後日談
ヴォラールは1939年7月21日に自動車事故で亡くなり、彼のコレクションは遺産として兄弟や愛人のもとへ分割された。
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